雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(28話)

彰くんの唇が近くなる…


どうしよ…


ガチャっ!


ドアが開く音がした。


彰くんは少し顔をあげるも
近いままだ。


ドアの方から人が入ってくる。


瞬くんだった。


瞬くんはあたしと彰くんの顔が
近い状況を見て、最初は驚いてたが、


「あら〜、俺邪魔しちゃったかなー?」


と笑って言った。


「邪魔してると思うなら出ていってくれるかな?」


彰くんは瞬くんに出ていくよう言った。


「そーいう訳にはいかないんですよ〜!
そろそろ海に行く時間ですよ?☆」


彰くんは軽く舌打ちし、
あたしから離れて瞬くんと
部屋を出ていった。


その後3人が戻ってきた。


「さぁそろそろ海行くよー!」


あ、ヤバい!!


結局寝れてない!!


最悪なコンディション…



海に着くとみんなそれぞれ遊びだし、
あたしは寝不足のため、
剣司くんとパラソルの下で休む事にした。


「ごめん、昨日俺が言ったことで
寝不足になったのか?」


まーた、喋りかけてくるぅ〜!!


「ごめん、寝れてないから寝させて…」


剣司くんは、あっ!と言って、
そのまま海の方を見つめた。


「でもさっき部屋で寝てたんじゃねぇの?
彰が送って部屋に行ったろ?
あれから彰もしばらく見なかったけど。」


えっと…


そうですね、寝てた事になってるんですよね。


「なかなか寝れなくて…」


剣司くんはそのまま
あたしの頭の上にそっと手を置いた。


あ、なんだか気持ちいい、、

寝れそう…


あたしは少し眠りについた。


目が覚めると頭の上の手はまだあった。


「あ、起きたか?どうだ、体調は」


結構スッキリした。


「スッキリした。ありがとう!」
と、言った。


剣司くんは上を見上げた。


「どうした?彰。休憩か?」


え、彰くん来たの?


頭の上の手は置いたままだったよな…


「橘は寝れたのか?」


心配してくれてたんだ…


「あぁ、しばらく静かだったぞ。」


ふーん、という顔でそのまま離れていった。


お昼ご飯は海の家〜!


あたしは、、もう腹ぺこで死にそう…


朝ごはん食べてないしなぁ。


焼きそば大盛り!!


やったー!


海の家の店員さん優しい!!


みんな凄い体力あるなぁ、
まだまだ行くぞー!っていう気合い十分。


すると横に座ってた彰くんが
あたしの耳元で囁いた
「頭撫でて貰えて良かったな」


なんだよ〜!嫌味な言い方!
ってかいちいち言わないでよ〜!



誠くんがこちらを不思議そうに見た。


「くろっちとたっちー何ヒソヒソ話してるの?」


特に何もないよと、言うと
彰くんは無表情のまま

「あかねに寝れたのか聞いただけだ」

と言っ………


えっ?


周りのみんなも気付いてこっちを見た。


「あれ?彰くんって
あかねの事下の名前で呼んでたっけ?」


かれんちゃんが不思議そうに言った。


彰くんは少しして気付いて
あぁ〜と言って、
「あ、悪い!周りがあかねって言うから
移ったのかもしれない。」


と、無表情で答えた。


みんなが食べ終わって、
あたしはゆきちゃん達と
ビーチバレーに入った。


ホテルに戻ると
それぞれ部屋に帰る。


「あかねちゃ〜ん!モテ期到来じゃないですかー?」
とマリナが言ってきた。


何がモテ期だよ!ないない!!


「確かにあれ怪しいよね〜、彰くん。
そもそもさ、寝れたか確認するのに
ヒソヒソ話じゃなくても良くない?」


かんなちゃんも考えながら言った。


あ、たしかに!


ゆきちゃんとマリナちゃんがピンと来た。


「ねぇ、ホントはあの時なんて言われたの?」


いや、大した事言われてないから!


「あたし、ジュース買ってくる!」


あたしはその場から逃げるように
自販機にジュースを買いに行った。


あー、ホテルのジュースって
高いんだよなぁ…
どれにしよ…


一所懸命考えていると
後ろから声が聞こえた。


「何やってんだよ、あかね。早く決めろよ」


振り返ると、彰くん…



ってかちゃんと言う!!


「いきなり下の名前呼びとか
ビックリするんだけど!
彰くん今日なんかキャラおかしい!」


彰くんはあたしに近づいて来た。


「悪いけど俺はあかねを森野に渡すつもりはない。」


そう言って彰くんは部屋に戻って行った。


なんか調子狂うなぁ。