雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(66話)

花火大会から数日、、


結局待ち受けにする勇気は出てなかった。


というより、変なとこ押して
消えたら嫌だもんね…


携帯を見つめていると
着信!!


わぁ、びっくりした…


ん?ゆきちゃん?何の用だろ…


「あかねちゃ〜ん!今日暇〜?」
ゆきちゃん泣いてるの?


あれ、待ってたしか今日…


8月29日…


夏休み、残り3日…


なんかいや〜な予感が…


暇だけど?と伝えると、


「ゆきの宿題手伝ってぇぇえ!!」


あ、やっぱり。


誰か来るかと思ったけどまさかゆきちゃんとは…


そういえば剣司くんは終わってるのかな?


あ、でも何もやらずに持ってきたりして…



あたしはゆきちゃんと待ち合わせの
駅に着いた。


「あかねちゃ〜ん!走って〜!」


ゆきちゃんが着いたかと思えば、
いきなり全力疾走…


ま、まさか…宿題…手付かず??


家に着くと、ゆきちゃんの部屋へ。


あーーー、、、、


真っ白でシワひとつない美しい紙が
机の上に並べられていた…


「あかねちゃん!何からしたらいい?
ゆきになんでも言って〜」


泣いてすがってきた…


いや、待って、あたしでも10日はかかったよ…


これを3日で…


徹夜コース…


なんなら食事以外の時間
全部当てないと無理…


「夏休みの宿題こんなに多いと思わなかったの〜!
もうどうしよう〜!」


どうしようって言われても…


もうこうなったら奥の手。


「ゆきちゃん!そこのプリント
出来るとこだけ書いといて!」


あたしは急いで廊下に出て
電話をかけた。


確か今朝見たはず…


頭のいい暇人を…




30分後…


瞬くん到着〜!


よっしゃ〜!何とかなる!
寝る時間は作れる!


「ゆきちゃ〜ん!こりゃやりすぎだよ〜!
もう少し手付けとかないと…」


さすがの瞬くんもショックを受けた。


わかるよ、その気持ち…


「俺、徹夜は出来ないからね…」


ですよね…


「ねぇあかねちゃん!
剣司くん呼ぶ?」


いや、さすがにそこまでは…


瞬くんがおもむろに携帯を取り出し
電話をかけた。


あれ?何故か低い声で話し出した。


「あ!剣司?今暇だよね?
俺今ねあかねちゃんとゆきちゃんちに
居るんだけどゆきちゃん買い物に行っちゃってさ… あかねちゃんと2人きりだと襲っちゃうかも。
30分は我慢できそうなんだけどね…」


そういうと相手の返事を聞く前に
瞬くんは電話を切った。


なんつーややこしい呼び方してんの!


まーた、誤解させるじゃん瞬くん…




20分程で剣司くんが着いた。


あたし達の居る2階まで
物凄い駆け足で近寄る足音…


扉がバッと開いた。


「瞬!あかねに何してんだ!!」


息を切らし汗だくの剣司くん…


「はぁ〜やっと来た〜!
さぁ剣司はそっちのプリントお願い〜!☆」


「はぁ?なにこれ…
っつか、須藤居るじゃん!!」


そうなの、剣司くんごめんね…


利用されただけなの…


「だって、宿題手伝ってだけじゃ来ないでしょ?
それにもう1回寝てから言いそうだし…
でもさっきの電話だと飛んで来るかと思って!☆」


策士…瞬くん…


剣司くんは瞬くんの胸ぐらを掴み、
床に押し倒した。


「てんめぇ〜!!タクシー代2000円
払えやゴラァ!!!」


うわぁ、タクシーかしかも2000円か…


なんかごめん。


ゆきちゃんが2人のやり取りを見て
痺れを切らした。


「もぅ!!喧嘩はいいから宿題早く手伝ってよぉ!!」


剣司くんと瞬くんは大人しくプリントに向かった。