白と黒の子守唄(67話)
ふぅ…
何とか1日で終わった〜。
ゆきちゃんもう机に伏せて動いていない…
「ゆき、もう一生分の夏休みの宿題やった…」
来年もあるけどね…
今は言わないでおこう…
瞬くんは壁にもたれてため息をついた。
「俺さぁ、こんなに頑張らなくてもいいように
出来てるんだよ〜。
もう何もする気力ないよ〜。」
あーはいはい。
学年1位の彰くん、抜いてから言おうね、
そのセリフ…
剣司くんは携帯を見ていた。
「剣司くん何見てるの〜?」
ゆきちゃんが覗き込もうとする。
「ばっ!いきなり横から見るんじゃねぇ!!」
剣司くんは携帯を背中に隠した。
瞬くんはそれを見ると
剣司くんから携帯を奪った。
「あーぁ。あかねちゃんの浴衣姿ねぇ〜」
と言って、瞬くんはゆきちゃんに携帯を見せた。
「お前!バカ!!返せよ!!」
瞬くんはヒラリと交わした。
「あかねちゃん可愛い〜!!」
ゆきちゃんはマジマジと見ていた。
あ!そういえば。
「剣司くんって宿題終わってるの?」
剣司くんは、えっ?って言って
顔を逸らした。
「剣司は宿題やらないよ〜!
いつも俺や彰に見せてもらってるしぃ〜
学校始まってから!☆」
はーー?
手伝ってる場合じゃないじゃん!
今すぐ持って来させないと!!
「あのなぁ〜!それは去年までの話だろ?
今月はとうに終わらせてるよ!!」
え?そうなんだ…
疑ってごめん。
「え?剣司が宿題?夏休み開けたら嵐でも起こるの?」
瞬くんは驚いていた。
剣司くん顔を逸らしたまま言った。
「あぁ!そうだよ!
終わらしとかねぇと、
あかねに呼ばれた時に
すぐに合わせられねぇだろ!!」
あ、そうか…
花火大会もすぐに来てくれたし、
瞬くんの件の時もずっと居てくれた。
「愛の力って凄いんだねぇ〜!!
良かったねぇあかねちゃん!」
ゆきちゃんがあたしに肘を突きながら言ってきた。
あたしが宿題早く終わらすと思って
剣司くんも終わらせたんだ…
「剣司くんって可愛いとこあるよね!」
あ、しまった、思わず口に出しちゃった…
剣司くんは照れながら
「あのなぁ、男は可愛いって言われて
喜ばねぇよ!!あかねの前では
カッコつけられるようになりてぇんだよ!!」
といった。
そういうところが可愛いんだってば、、
あたしと剣司くんと瞬くんは帰ることにした。
そこから3日が経ち、
波乱の夏休みは終わった。
明日から2学期スタート!