雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(74話)

次の日、学校に行くと
彰くんと鉢合わせした。


あ!そういえば…


「彰くん、昨日家に来てたんだよね?
何か用事でもあったの?」


すると彰くんは黙って教室に歩いて行った。


何かあったのかな?


教室へ行くと既にみんなも来てた。



午前中の授業も終わり、昼休み。


携帯が鳴った。
あ!メール…って彰くん?


『中庭に来て欲しい』


あたしは急いで中庭に向かった。


着くとベンチに彰くんが座っていた。


「呼び出してすまない…
少し話がある。」


彰くんを下を向いたまま言った。


「この前駅で瞬を見たんだ。
俺の知らない女子と歩いてたんだけど…
白馬の目がおかしかった。
橘なら、何か知ってるんじゃないか?」


そういうと顔をあげた。


それで家に来てたのか…


「実はあたしも知らないの…
気にはなってるんだけど…」


呼び出して聞いても多分またはぐらかされる。


すると、彰くんの元へ
後ろから何かがぶつかって来た。


「クロっちとたっちー密会現場発見!」


そこへ来たのは誠くんだった。


おっと…今このタイミングで…


彰くんは振りほどこうとはしないが
ため息をついていた。


「いきなりくっつくな…
あぶねぇだろ…」


誠くんは少し落ち込んだ顔で手をほどいた。


「クロっち何かあったの?
最近元気ないよ?」


誠くんは彰くんの顔を覗き込んだ。


彰くんは咄嗟に顔を逸らした。


「別に…何もねぇよ…
それにいつもと対して変わらねぇだろ…」


誠くんはそれを聞くと、
ホッとした顔で笑った。


「良かった…何も無くて」


誠くんは手を振って離れて行った。


なんかさっきの誠くんの一言…


気になる言い方だったな…


予鈴のチャイムがなって、
あたしと彰くんはその場から離れた。


午後の授業も終わり、
放課後駅へと向かって歩いた。


今日は剣司くん、他の友達と遊ぶって言ってたからな…


1人で帰るの何となく久々…


駅に着いて、あたしは普段行かない
反対側のお店をぶらり散歩してみた。


おぉ!何このカフェ!初めて見た!
可愛い…


今度剣司くん誘ってみよ!


あたしはそのお店を見てると、
後ろから女の人の声が聞こえた。


「待って、瞬!!
さっきの話どういうこと?
ちゃんと説明してよ!」


瞬…?


振り返ると瞬くんと、、

あ!あの女の人!!


瞬くんは遠くを見つめながら


「説明も何もそういう事…
なんで理解できねぇの?
そもそも俺が貴方に
興味持つわけないでしょ。」


冷たい…


女の人は相当苛立ってるみたい…


「何度も言わせないでよ!
向こうが勝手にぶつかっただけじゃない!
私が何したって言うのよ!
まさかそれが言いたくて
私に近付いたの?」


何の話?


ぶつかったって何が?


あれ?ヤバい…


瞬くんと目が合ってる気がする。


瞬くんはあたしの存在に気付いて
その場から離れて行った。


女の人は瞬くんの後を追って行った。