雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(72話)

初めての剣司くんの家。


オートロック?付きの
高そーなマンション…


なんかホテルみたい…


入り口のとこには管理人室。
中から人が出てきた。
スーツ姿で、肩にかかるくらいまで
長い髪の男の人。背も高い…
なんかホストみたい。
あ!こっちに向かって歩いてきた。


「おぉ!剣坊、もしかして彼女か?」


剣司くんは慌てて口の前に
人差し指を置いた。


「しーーーっ!!
晋也さん!!声でけぇ〜っつーの!!」


「バカヤロウ!
胸張ってやんねぇと、
彼女さん可哀想だろ!
なんだ、そんなにヒソヒソと…」


その男の人は、剣司くんの元へ来ると、
剣司くんの肩に腕を回した。


「彼女さん!コイツ普段口悪ぃけど、
根はすっごくマジメなやつなんだ!
仲良くしたってくれよ!」


なんだこのチャラそうな人は…


こういう人ちょっと苦手…


「俺の名前は海堂 晋也(かいどう しんや)
って言うんだ。ここの管理人。
この部屋に居るからなんかあったら
呼んでくれや。」


あ、はい…


ってあたしここに住むわけじゃないし!
あんまり会わないでしょ!!


でも、自己紹介しとくべきだよね、、、


「は、初めまして、橘 茜といいます。
これから、よろしくお願いいたします?」


海堂さんは笑っていた。


「お願いしますが疑問形か…
剣坊と仲悪ぃのか?」


あ、そういう意味ではなく…


なんかめんどくさい人だなぁ…


あたし達はそのまま、エレベーターに向かった。


剣司くんは何故か楽しそうだ。


「晋也さんってカッケーだろ?
俺憧れてんだァ〜!」


あぁ、それで剣司くんも
肩まで髪伸ばしてるのかな?


「昔、あの人、この辺の悪ガキまとめてて、
リーダー的な人だったんだぜ!
すげーいい人!!」


確かに紳士ではないね…


剣司くんの家は15階建のマンションの12階。


何この景色!!


エレベーター上がった瞬間から
何やら、タワーに上がったような気分!!


こんな景色毎日見れるとか
どれだけ幸せなの!


剣司くんの家に入ると、優子ちゃんが
迎えに出た。


「お兄ちゃんおかえり〜!
お!彼女さんも来たんだ!!」


前に1回会ったっきりで、
何喋っていいかよく分からない…
でも結構フレンドリーな人だなぁ。
ゆきちゃん達と合いそう。


「優子!お茶とかいいから!
後で俺が取りに行くから!」


と優子ちゃんを、追い払うような剣司くん…


あたし達は剣司くんの部屋に入っていった。