雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(43話)

瞬くんが飛び出して行った。


剣司くんも後を追おうとする。


彰くんが剣司くんの腕を引いた。


「橘に何かあったらどうする!
お前と山神はここに居ろ!」


彰くんも、飛び出して行った。


2人に何もないといいんだけど…


しばらくすると2人は戻ってきた。


「ごめんあかねちゃん…撒かれたみたい…」


落ち込んだ様子の瞬くん…


気にしないで…


「でも間違いなく居たな。
もっとしっかり警戒すべきだ…」


彰くんは考えこんだ。


すると何かに閃いた。


「橘、お前後ろから付きまとわれたことはあるのか?」


あ、そういえば…


最初は帰ってきたら既にいたし、
今日も道中は何も無かった気がする。


「……だとしたら、
狙いは橘じゃないかもしれないな。」


も、もしかしてお母さんのストーカー?


「お母さんはお昼にお弁当屋さんでバイトして
5時くらいには家に帰ってきてる。
平日は毎日仕事に行ってるよ。」


お母さんにこの事話すの?


それだと警察に行って、
話が通らなくて、、、
お母さん落ち込む気がする…


それは避けたい!


どうしたらいいんだろ…


あたしは座り込んで考えた…


すると頭の上に手が…


剣司くん!


「あのなぁ、なんのために俺らいんだよ!
みんなで解決しに来たんだろ?
1人で考え込まずに気になる事あるなら
この場で言えよ。」


そのまま剣司くんはあたしを抱き寄せた。


「ストーップ!!」


誠くんが間に入ってきた。


「モーリー!今日はイチャイチャダメって言ったでしよ!」


「こんなもんイチャイチャに入らねぇだろ!
誠基準低過ぎんだよ!」


その会話が面白かった。


「なら、1人外で張るってのは?」
瞬くんの意見。


彰くんは考えた。
「だとすると、誰を置くかだな。
山神は空手の段はあるが相手の身長が
分からない以上は、決め兼ねる。
あとは……」


誠くんって空手の段取ってるの!?


そんなに小さいのに!


驚いた顔で誠くんを見ると、
誠くんはブイサインをして笑った。


「森野と山神は守りだな…」


瞬くんは彰くんに向かって言った。


「その話の流れだと、彰か俺だよね?
だったら俺の方が良くない?
彰はここで指示しなきゃって感じだし!」


「そうだな、白馬、お前頼むわ。」


作戦会議が終わった。


あたしは4人を見送って、
リビングに向かった。


お父さんは下を向いてるソファに座っていた。


お母さんはあたしの横に立ち、
小声で言ってきた。
「あかねちゃん、お父さん
あかねちゃんの部屋に行ってからずっと
あんな感じなのよ…
何かあったの?」


あたしが聞きたいよ、それ。


「あ、アレじゃない?
急に彼氏とか連れて来たから
びっくりしてるのかも!」


「あ!そうよね、
あんなちゃんとした子いきなり出てきたら
ビックリするわよね!」


お母さんはそのまま部屋に向かった。


「……お父さん?」


聞こえているのか居ないのか、
全く動きがない。


「彰くんと知り合いなの?」


あたしがそう言うと、
お父さんは凄い形相で睨んで来た。


「あかね、お前には関係ない。」


そう言うと静かに立ち上がり
部屋に帰って行った。


あのストーカーの子、
もしかして目的はお父さん!?


なんだか凄い胸騒ぎがする。


明日の作戦上手く行くかな?