雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(71話)

気になる…


彰くんが怒ること、
あんまりなかったのに…


瞬くんは笑って言った。


「彰もあんなに怒ること無いのになぁ〜」


え?


「俺があかねちゃんの家に、
普通に出入りしてるって言ったら
剣司の気持ち考えろとか言ってさ、、」


あ、女の人関係無かった…


あたしの頭の中で勝手に
結び付けてただけだったのか…


早とちり…


瞬くんはふと気が付いた。


「そういえば彰なんの用事で来たの?
帰ってったけど…」


そういえば…


なんで来たんだろ…


携帯も何も入ってないし…


あたしは彰くんにメールした。


彰くんから返事はない…


すると剣司くんから電話。


「あのさ、今日暇?」


暇ですね…
勉強しようかと思ってたけど…


あ!そうだ!


「今から予習しようかと思ってたけど
一緒にする?」


剣司くんは無言だった。


勉強は嫌だよね…


「それならさ…こっち来る?」


剣司くんの家!!


何気に行ったことがない…


どうしよ…


「い、行ってもいいの?」


「え?いいよ。
あかねが嫌じゃなかったら…」


あたしは駅前で待ち合わせする事にして、
電話を切った。


横で瞬くんがソワソワしてた。


あ、瞬くん居たの忘れてた…


「今からデート?」


瞬くんはあたしの顔を覗き込んできた。


あたしは恥ずかしくて顔を逸らした。


「あかねちゃん、わかりやすいね!
駅前で待ち合わせして、どこに行くの?」


け、剣司くんの家とか言いにくい…


「内緒!!着いてきちゃダメだからね!」


瞬くんは考え込んでた。


「俺、駅に今から向かうとこなんだよねぇ〜☆」


着いて来る気満々!
何考えてんのよ!


あたしは瞬くんと一緒に家を出た。


ホントに駅まで着いてくるし…




駅前のベンチには剣司くんが座っていた。


「え?瞬!?
なんであかねと一緒にいんだよ!!」


剣司くんはちょっと不機嫌になった…


「俺結構あかねちゃん家に出入りしてるよ!
よく寝顔も見てるしね☆」


余計な事を言うな…


「で、瞬まで着いてくんの?」


剣司くんこっち見ようとしない…
すごい怒ってそう…


「まさか!このまま電車乗って帰るよ☆」


瞬くんは手を振って、駅に入っていった。


「ったく…あいつ何考えてんだよ!」


いつまでも不機嫌な剣司くん…


「ごめんね…着いて来ちゃって…」


剣司くんはあたしの顔を見ると
ため息をついた。


「いや、着いてきた事よりさ…」


剣司くんは言葉に詰まっていた。


どうしたんだろ?


「寝顔見たことあるってのがさ…
あかね、瞬にはもう何もされてないんだよな?」


あ、心配かけちゃってたんだ…


あたしは何も無いよと伝えると、
少し機嫌が戻った。


「俺の家、こっちだから。」


そういうと剣司くんは前を歩いていった。


しばらくすると立ち止まって振り返った。


「横、、、歩けよ…」


あたしが剣司くんの横に行くと、
剣司くんは静かに手を繋いで歩き出した。