雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(73話)

剣司くんの部屋に着いた。


あたしは少し気になった。


「海堂さんって管理人?」


って見えなかったんだよね…


たまたま出てきたって感じだったし…


「そうだろ!すげぇだろ!
前の管理人の孫だからとかなんとか…
なんでも相談できるし!」


お兄ちゃんって感じだね〜。


剣司くんは少し機嫌が悪くなった。


「もしかしてあかね…晋也さんに惚れた?」


いや、苦手だからそんな事ない…



勉強をしようとノートを広げると、
剣司くんは覗き込んできた。


あれ?気がついたら剣司くんメガネかけてた。


「あかね、ここの式…こっちじゃないか?」


あ!ホントだ。


ってかチラッと見ただけでよくわかったな…


「剣司くん勉強って不得意そうなんだけど…
よくわかったね。」


剣司くんは不思議そうにあたしを見た。


「不得意っていうか…めんどくせぇだけだな。
彰と瞬には勝てねぇけど別に問題ねぇし!」


あれ?もしかして…


「剣司くん…頭いいの?」


「ん?俺?良くはねぇよ、
学年3位とか言われたしな…」


3位!?


すごい頭いいじゃん!!



……結局ほとんど聞きっぱなし…


ノートに向かうあたしの顔を
剣司くんは覗き込んで来た。


「あのさ…勉強落ち着いた?」


あ!剣司くん退屈してたのか!


「ごめん、もう終わりでいいよ!
あと帰ってからやるから!」


剣司くんは笑顔になっていた。


「あ!そうだ!あかねから
してもらおうかな?」


ん?何を?


剣司くんは自分の唇を
指さした。


あ!


あたしは剣司くんにキスをしようとした。


あたしの携帯が鳴った。


電話…


「あかねちゃ〜ん!雨降ってきたから
お父さん駅まで迎えに行ってちょうだい〜!」


お母さん…


剣司くんごめんね…


「お父さん迎えに行ってくるね…」


あたしは帰ることにした。


玄関に行って、家を出ようとすると


「キス…今していい?」


こ、ここで!?


誰か来たらどうするの…


あたしは剣司くんと玄関でキスをした…


道でするのと違って、
すごい緊張した…


あたしは駅に向かって歩いた。


「あれ?何してんだ?橘!」


知らぬ間に彰くんとすれ違っていた…
駅前で傘を2本持っていた。


彰くんも誰か待ってるのかな?


「なぁ、橘!白馬見なかったか?」


いや、見てない来たとこだから、、、


そうか瞬くんを待ってたんだね。


駅から瞬くんが出てきた。


「おぉ!あかねちゃんも迎えに来てくれたんだ!☆」


いや、違います。


待ってません。


瞬くんはおもむろに
あたしに抱きついて来た。
耳元で小さな瞬くんの声が聞こえた。


「あかねちゃん、彰に何か言った?」


え?いや、何も…


するとあたしは瞬くんから剥がされた。


「お前ら、無駄にくっつくなよ…」


剥がしてきたのは彰くんだった。


「なんだよ〜、彰!ヤキモチかな?☆」


彰くんは何も言わず離れていった。