雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(48話)

「ねぇ…なに…してるの…シロッち…」


誠くん!


誠くんが青ざめた顔で立っていた。


「シロッち!たっちーから離れて!!」
誠くんは思わず叫んで瞬くんに飛びついた!


誠くんは跳ね除けられたが同時に
駆け上がってくる2人の足音。


あと2人が誠くんの声で帰ってきた!!


こんなとこ見られたら…


あたしは起き上がって急いでボタンを締め始めた。


階段からそんなにこの廊下は長くない…


慌てたせいでボタンが上手くかからない…


瞬くんは横で笑っている。


お願い、神様…


今だけ!今だけでいいから時間を止めて!


お願い、間に合って…!!



「何…してんだ?」


後ろ向きにもわかる…この声は剣司くん…


間に…合わなかった……



「戻って来たらシロッちが、たっちーの上に
覆いかぶさってて、たっちー服脱がされてて…」
誠くんが泣きながら訴える…


剣司くんは何も言わず瞬くんを殴った。


ダメだ嫌われる…


あたしは泣くことしか出来なかった。


この状況ではあたしと瞬くんが
関係を持ってるって思われる…


剣司くんはきっと…あたしの事はもう…


あたしは誰かにそっと後ろから抱き締められた…


剣司くん!?


「ごめん、そばに居てやれなくて…」
顔は見えてないけど…剣司くんも…泣いてるの?


彰くんは瞬くんの胸ぐらを掴み、そのまま殴った。


「やっぱりお前が…
今日はお前が下に居なかったから
あの犯人に来るなと指示を出したんだろ!!」


来てない?


逃がせられないから!


「窓からお前達の姿も見えないし、
八神に先に戻らせて正解だったな!!」


瞬くんはゆっくり起き上がった。


「彰ってほんと勘がいいと言うかなんというか。
でも、この部屋であったことは勘違いされてるよ。」


何を言うつもり?


「あかねちゃんがボタンを外して、俺を誘ってきた。
剣司より俺がいいってさ。」


ここで、認めたら剣司くんを裏切る、
でも認めなかったらきっと今までの事をバラされる…


剣司くんを裏切る道以外…ないって事…


「あかね、瞬の言ってることは嘘だろ?
あかねが脱がされたんだよな?」


そう、そうなんだ、あたしが誘ったの…


違う、あたしじゃない、幾度かキスも
隠れてしてたけど…


どっちが正解?


答えが見つからない!


「なんの騒ぎだ!」


その声は…お父さん、、、



部屋には、泣き止まない誠くん…


ベッドの上には泣いてるあたしと
抱きしめてくれてる剣司くん。


窓際には殴られた瞬くん、
その向かいには彰。


「………父さん…」


誰?今の声!


「やっぱりお前だったのか…アキラ…」


アキラってこの前、お父さんが言ってた?


瞬くんはお父さんを睨み付けていた…


「どう?父さん、父さんと同じように
あかねを傷付けた。俺は彼女に無理矢理
キスをした、無理矢理襲おうとした…
過去にあんたが母さんにしたみたいにね!!!」


「どういう…こと…?」


お母さんが、驚いてドアの前にしゃがみ込んだ。


「あんたもしかして奥さんにも言ってないの?
自分が一夜を共にした女を抱いて
子供を作ってた事を!」


お父さんがお母さんと違う女の人に
子供?


だから、父さんなんだ…


「白馬…お前、分かってて橘に近付いたのか!!」


彰くんが下唇を強く噛み、
握り拳が固くなる…


「クラスの座席表を見た時に、
ピンと来たよ。コイツは俺の
母さんを殺したあの男の子供だってね!!」


お父さんが…瞬くんのお母さんを…殺した…?