雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(18話)

さぁ、待ちに待った海です!


今日から2泊3日!
楽しんで行きましょー!


と言うテンションは家を出て
5分くらいで終わる…


あっついわー!!


あぁ、どうしよ…
もう家に帰りたい…

干からびるよー!



待ち合わせの駅!


まだ誰も見当たらない。


流石に40分前だと誰も来てないかぁ〜。


ってどれだけ楽しみにしてるの!あたしっ!



遅れるよりは、と思い早めの電車に乗ったら
想像以上に早く着いただけなんだけどね…


しかし、あっつー!!


待ち合わせ場所から少し離れたところに
カフェ発見!!


時間もまだまだあるし
涼みに入っとこ…


店内をウロウロしてると、
窓際に見慣れた人が。


本を読んでいたのは彰くんだった。


ブラックだろうか?コーヒーを片手に
読書をしていた。

あたしは思わず声をかけた。

「あれ?橘?
もうそんな時間か?」

と腕時計を見るがまだまだ時間はある。


「そこ座ってもいいぞ。
誰も来ないし。」


あたしは目の前の席に座った。


彰くんは読んでいた本にしおりを挟み、
そのままカバンにしまい込んだ。


「お前も来るの早いな。
そんなに家で退屈してたのか。」

あ、そうか…彰くんはひとり暮らしか…


「あたしは早めの時間の電車に
乗ってきただけだよ。
彰くん何時に来たの?」

「俺?俺はつい30分ほど前だぞ。」

はっや!


もう少しゆっくり来たらいいのに、、


「家に居ると冷房台かさむ。」


あ、そうっすか……



っていうか今気付いた。

彰くんと30分もなんの話したらいいんだろ…

話のネタが思いつかない…


彰くんは外を見ながらコーヒーを啜っていた。


やる事もないのであたしは持ってきていた
夏休みの数学の宿題をやる事にした。

彰くんはチラッとこちらを見ると、
プリントに気付き、

「ふっ、ははは!
なんで今日そんなもの持ってるんだよ…
腹痛てぇ〜」


え?なんでって夏休みだし…


「遊びに行くっつーのに、宿題はねぇわ!
橘は海で宿題すんのかよ。」


終始お腹を抱えながら、
声を出さないように我慢して
爆笑されている…


彰くんこんなに笑うんだ…


「向こうに着いたらそれ出すなよ。
マジで笑けるから!」


「やる事無くなったらのために
持ってきたんだけど…」


「あのなぁ、海に友達と行ったら、
やる事あり過ぎて大変なくらいだろ。」


行ったこと無いから分からないもん。


しばらくすると、彰くんは外に何かを発見した。


「あ!みんな集まって来てる。
そろそろ行くか。」


あたしも慌てて残っているコーヒーを飲み、
お店を後にした。