雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(19話)

待ち合わせ場所へ行くと、
みんなが来ていた。


ゆきちゃんがニヤッとした顔で近付いて来た。

「あっれ〜?あかねちゃん、
彰くんと一緒に来たの〜?」

何やら嬉しそうに話しかけてきた。

「さっきそこのカフェで会ったから
時間潰してただけだ。」

彰くんすかさず返答。


ゆきちゃんがみんなの見えるところへ行き、

「はーい!みんな揃ったところで!
では本日より〜!
夏の海旅行スタートしま〜す!
みんな〜!盛り上がって行きましょー!」

(おーっ!)


長野の旅行とは違い、
今回は誠くんも同じバス。

「長野の時はみんなと違うバスだったけど、
今回はみんなと行けるんだね〜!」

誠くんと剣司くん、彰くんと瞬くん、
マリナちゃんとかんなちゃん、
ゆきちゃんとあたしで並んで座った。


「このメンバーで夏休み旅行とか
なんか新鮮で楽しみ〜!」

とゆきちゃんはすごく楽しそうだ。

すると、後ろの席から、

マリナちゃんが覗いて来た。

「あかねちゃん、ゆきちゃん!
今これ食べてるんだけど食べる?」

マリナちゃんからお菓子を貰った。




少しすると、インターチェンジ


お昼ご飯!


みんなで食堂でそれぞれメニューを
頼んだ。


あたしは焼きそば。


このソースの濃さがたまらなく好き!


横を見渡すと、剣司くんが箸が進んでないようだった。


剣司くんを気にしてるあたしに
瞬くんが気付いた。
すると、あたしの横へ来て、
「剣司ね、昔は1人で海に毎年いってたんだよ。
みんなで楽しい思い出にしようってことで
みんなで海に行くようになったんだよ。」

と、コソッと教えてくれた。


そうは言っても、やはり気はあまり乗らないのかな?


食べていない剣司くんに気づいた誠くんが、

「モーリー全然食べてないじゃん!
じゃあこの豚肉僕貰うね〜!」

と、横から箸を近づけた。

剣司くんはハッと気付き!

「おい!メイン取っていくなよ!
それ無かったらなんもねぇだろ!」

といった。


「モーリー…
それだと周りの野菜さん達に失礼だよ…
あーぁ、可哀想…野菜さん達…」

誠くんが肩を落としていた。

剣司くんがすまなそうに、箸を置いて、
ごめんと誠くんの方へ近づいた。

すると誠くんは顔をあげ、

「スキありっ!」

と言って剣司くんの豚肉を食べた。


誠くんはすごく美味しそう。

「おーいー!
てめぇ!騙しやがったな!!」

剣司くんはそういうと誠くんの頭を
くしゃくしゃっとした。


誠くんも楽しそうだ。


その頃女子はと言うと。
「ゆきにんじんきら〜い!誰か食べて〜!」
と、ゆきちゃんが言うと、
かれんちゃんが横から来てゆきちゃんの肩に
手を置いた。

「ゆきちゃん、知ってる?
世界で初めてモデルを決めるオーディションでは
人参を何本食べれるかって言うのが
決め手になった大会があるんだよ?
人参食べない人は綺麗な大人になれないって
聞いた事ないかな?」

初めて聞いたなぁ〜、、


「ゆきも綺麗な大人になる!!
頑張って人参食べる!」

そういうとゆきちゃんと人参の
にらめっこが始まった。

あたしはかれんちゃんに
初めて聞いたこと伝えると、
マリナちゃんとあたしにコソッと
「あれ、嘘だから。
信じちゃダメだよ。」
と、教えてくれた。

ゆきちゃんは頑張って
人参を口に入れた。


「みてみて!ゆきにんじん食べたよ!
少し綺麗な大人に近づけたよ!」

と嬉しそうに言った。

かれんちゃんはクスクスと笑いながら、
「ゆきちゃん良かったね、
人参美味しかったでしょ?」
と言うと、ゆきちゃんは
「美味しくない〜!
でもこれからは嫌だけど出てきたら食べる〜」

と半分泣きながら小さくガッツポーズをして言った。


お昼を食べ終わり再びバスに乗り、
あたし達は宿泊するホテルへと着いた。