雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(30話)

あたしは剣司くんの話を受ける事にした。
そのまま部屋に戻ることにした。
でもあたしは戻る前に。


彰くんにメール。


今自販機まで出てこれますか?と、


送った直後に返信が来た。


すぐ行く。


「何の用だ。」


あー、彰くん冷たいバージョン…


「あの…ちょっと話があって…
この前の彰くんの告白の件なんだけど…」


彰くんはこっち寄ってきて、
あたしを自販機に押し当てた。

彰くんの手があたしの顔の横に…

これが壁ドンってやつか…


「あかね…」

そう言って彰くんは顔を近づけてくる。


「あたし、剣司くんの話受ける事にしたの!
だから彰くんの話は受けられないの!」


言えた…


すると彰くんはしばらく動きが止まった。


と、思ったらあたしの顔の左側から
髪の毛を少しすくい、そのまま自分の
唇へと運んだ。


メガネのレンズ越しに鋭い眼差しが突き刺さる。


「あかね…忘れたのか。
俺はあかねを森野には渡さない。」


するとそこへ剣司くんが現れた。


「彰…お前、あかねに何してんだ!」


彰くんは顔だけ振り返り、
口角をあげて言った。


「口説いてんの…見てわかんねぇ?」


それを聞くと剣司くんは
舌打ちをし、あたしから彰くんを
突き放した。

「あかねは俺と付き合うことになった。
手は出すな!」

あたしの前に立つ剣司くんが
彰くんに言い放った。


「それはさっきあかねから聞いた。
森野、お前ではあかねは幸せに出来ない。」


剣司くんは頭に血が登り、
彰くんに殴りかかろうとする。


彰くんの顔の前で拳は
寸止めされた。


「森野。今日あかねが朝、部屋に戻った時、
俺とあかねが一緒の布団に居たって
知ってたか?」


彰くんの一言に剣司くんは目を見開いて
彰くんを見つめた。


ってかそんな言い方…


誤解招くじゃん!!


「彰、それは付き合う前の話だから
聞かなかった事にする。これからは
許さないからな。」


剣司くんはそう言い切り、
あたしの手を取ってその場を離れた。


少し離れたところで、
剣司くんの足が止まった。


「さっきはあぁいったけど、
実際彰となんかあったのか?」


握られてる右手首に力が込められる。


「そこで告白されただけ、
あとは何もなかったよ。」
そういうと、剣司くんは深い息を吐き、
こちらに振り返り、笑顔になって、
あたしを抱きしめた。

「良かった。なら安心。」


しばらくして抱き締めていた手を外した。


「ご、ごめん!なんか安心したら
ギュッてしたくなった…
俺結構最低かもな…」


あたしは笑顔で剣司くんを見た。


「これから彰とはあんまり2人になるなよ。
やっぱり、不安になるからさ。」


あたしは、うん、と返事して
部屋に帰ろうとした。


「あかね!」


後ろから剣司くんに飛びとめられた。
剣司くんはそのまま、あたしの頬を抑え、
唇に柔らかく暖かい感触があった。


…………!!


今、もしかして、、、


キス、、したの?


剣司くんも唇を離すとあたしの顔を見つめ、
左手の甲を自分の唇へ当てた。


「また寝不足にならねぇように早く寝ろよ。」


剣司くんは恥ずかしそうにしながら、
部屋へ戻って行った。


あたしも部屋に戻ると、


あぁ、みんな起きてる…


「あれ?あかねちゃん!顔赤くない?
どうしたの?」


マリナちゃんが近寄ってくる。


女子なのに、何故かあたしは
恥ずかしくなり、後ろに下がった。


気が付くとあたしは
右手で唇に触れていた。


「ははぁ〜ん!さてはあかね様!
キスされましたな!」


ゆきちゃんが誇らしげに言った。


その後剣司くんと付き合うことや、
キスしたことなど報告した。


早く寝ろって言いつつ、キスされたら
それこそ寝れないじゃん!


結局今日もほとんど眠れなかった…