雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(70話)

朝起きて、ベッドでぼぉ〜っと…


やっぱり昨日の事が気になる…


瞬くんのあの顔…


今日は土曜で学校には行かないし、
瞬くんに直接…いや、それは辞めた方がいいね…


うーん、と悩んでると
部屋のドアが開いた。


「あかねちゃん!おはよ☆」


あたしは思わずビクついた。


ノックしてって言ってんのに…


「あれ?あかねちゃん、なにか考え事?」


考え事っちゃ…考え事。
あなたの事ね…はぁ…


「俺達、家族みたいなものなんだから、
なんでも相談に乗るよ!☆」


あたしは隠さず単刀直入に聞いた。


「昨日、また駅前で、
女の人と歩いてたよね?」


瞬くんからはさっきまでの
明るい空気が消えた。


「また見られちゃったか…
別に大した事じゃないよ!
その話、終わりにしないと…」


瞬くんの目付きが冷たくなった。


あたしはベッドの上で押し倒された。


「剣司の見てない隙に
あかねちゃん襲っちゃおうかなぁ…?」


冷たい視線…低い声にあたしは何も言えなくなった。


まるで金縛りにあったかのように
身動きが取れない。


瞬くんに笑顔が戻る。


「でも、ホントにあかねちゃんは
気にしなくていいよ。」


そういうと瞬くんはベッドから離れ、
部屋を後にした。


結局かわされたか…



しばらくすると玄関に声が響く。


あれ?今のって彰くんの声?


でもいまいち何を言ってるか聞こえなかった…


あたしは慌てて玄関に向かった。


そこには…玄関で立ち尽くしてる彰くんと
倒れ込んでる瞬くん!!


え?喧嘩…?


彰くんは瞬くんの胸ぐらを掴み起き上がらせた。


「お前…何やってるかわかってるんだろうな?」


彰くん…凄いキレてる…


彰くんは階段から降りてくるあたしに気付いた。


彰くんは瞬くんから手を離し、
家から出ていった。


瞬くんは切れた口元を手で拭い、
何も言わずリビングへ向かった。


あたしは瞬くんの後を追い、
口元を消毒してあげた。


「あかねちゃん、ほっといていいよ。」


瞬くんは笑って言った。


「ねぇ、彰くんも関係あるの?
あの駅の女の人。」


瞬くんは何も言わなかった。


何も言わないって事は、
あの女の人の話だったんだ…


彰くんを取り乱し、
瞬くんの目を冷たくさせる女の人…


いったい…何者なの…?