雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

2021-09-25から1日間の記事一覧

白と黒の子守唄(67話)

ふぅ… 何とか1日で終わった〜。 ゆきちゃんもう机に伏せて動いていない… 「ゆき、もう一生分の夏休みの宿題やった…」 来年もあるけどね… 今は言わないでおこう… 瞬くんは壁にもたれてため息をついた。 「俺さぁ、こんなに頑張らなくてもいいように 出来てるんだ…

白と黒の子守唄(66話)

花火大会から数日、、 結局待ち受けにする勇気は出てなかった。 というより、変なとこ押して 消えたら嫌だもんね… 携帯を見つめていると 着信!! わぁ、びっくりした… ん?ゆきちゃん?何の用だろ… 「あかねちゃ〜ん!今日暇〜?」 ゆきちゃん泣いてるの? あ…

白と黒の子守唄(65話)

地面に座っていた男の子は 誠くんの声に反応した。 「お兄ちゃ〜ん!」 すると誠くんはこちらに気づいた。 「あ!たっちーとモーリー! ごめんね!その子僕の弟の源(げん)っていうの! 探してたんだぁ〜」 誠くんは源くんを抱えた。 「2人とも怪我手当してくれた…

白と黒の子守唄(64話)

屋台を歩いてると、 おぉ!あれは! ベビーカステラ!! 前にスーパーの前で売ってた時に 美味しかったの覚えてた。 あれなら歩きながらでも食べれるからね! 「剣司くん!ベビーカステラ買ってくる!」 「いや、俺も着いてくから!」 しかも出来たてのあったか…

白と黒の子守唄(63話)

花火大会当日。 あたしはこの重っ苦しい浴衣に袖を通す… 何を隠そうこの浴衣にはお父さんとお母さんの 思い出が詰まっている。 これが桐の花かぁ… しかし剣司くんとのデートに着ていくのは 気が引ける… スーパーで買ったやつとかで 良かった気がする… まぁ節…

白と黒の子守唄(62話)

お母さんの話が終わった…。 普段の生活見てると、 お母さんの方が溺愛かと思ったけど、 お父さんの方が惚れてたんだな… 「それから私たちは2年後結婚したのよ! そこまではちっさなマンションに2人暮らしでね… 今みたいなこんな広い家に住むなんて 思っても無…

白と黒の子守唄(61話)

「でしたら、私が皐月さんとお付き合いを初めて 諦めていた、という事でしょうか?」 修一さんは何やらじっくり考えていた。 改めて言われるとなんだか恥ずかしくなった。 あ、じゃなくて! 「いや、でももうそれは過去の話で… 私はさっちゃんが幸せになってく…

白と黒の子守唄(60話)

私と修一さんは花火大会に向かった。 屋台が多く立ち並んでいた。 相変わらず人が多い… 修一さんはそっと私の手を掴んだ。 「これだけ人が多くてははぐれてしまいます。 そばにいて下さい。」 屋台には目もくれず…というか速い! 私は下駄を履いてたので 中々…

白と黒の子守唄(59話)

花火大会当日。 待ち合わせの公園へ。 そこには修一さんと車椅子の… さっちゃん!! 「貴子さん、お久しぶり! 相変わらずお元気そうね!」 さっちゃんは笑顔でこう言った。 でもあまり顔色が良くない… 「修一さん、少し貴子さんをお借りしますわね。」 そういう…

白と黒の子守唄(58話)

私と修一さんは付き合いだしたものの、 どこか後ろめたさがあった。 修一さんは口数は少ないし、 さっちゃんと居る時とは全然違う。 私も修一さんに話をする事は特になかった。 そのまま夏を迎え、 私は進路に追われていた。 決まってないの多分、私くらい… …

白と黒の子守唄(57話)

高校3年の春。 周りのみんなは卒業の就職や 大学進学へと進路を決めだしていた。 私は何も考えてなかった。 ある日の放課後、 修一さんが私に声をかけてきた。 「皐月さんのお見舞い行ってますか? 行ってなければ今から一緒に行きませんか? 皐月さんには今…

白と黒の子守唄(56話)

さっちゃんはそのまましばらく 目覚めなかった。 病院に運ばれたが、 ボールが当たった衝撃により 持病が悪化した、との事。 修一さんはベットの横で、 「皐月さん…すみません…」 と繰り返しながら、 皐月さんの手を握り、 うつむいていた。 私はその様子を ド…

白と黒の子守唄(55話)

出会いは高校1年の春… 五十嵐家のご令嬢である さっちゃんこと、五十嵐皐月。 昔からの幼なじみ。 物腰柔らかくてまさにお嬢様!って感じの、 私と友達なのが奇跡くらいの子。 その頃私は結婚前で、桐島貴子って言う名前で ごくごく普通の家庭で毎日特に 不…