雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(52話)

部屋に来たはいいものの…


改めて2人で居ると緊張する…


「あかね、そろそろ吐いて貰うよ」


「え?」


「え?じゃないよ、つい数時間前に
ここで何があったか!
あとそれまでに何があったか!」


えっと…


全部言うの?


「えっと…最初は2人でストーカーの犯人
追って行った時に、
前に居た人と違うってなって、
逃げた人にこんな人知らないかって言ったら
後ろから瞬くんが来て、
実は覗いてたのが瞬くんってわかって、
あたしがみんなに報告しようとしたら、
瞬くんにキスされて犯人俺って言ったら
剣司くんにキスしたこと言うって言われて」


剣司くんは少しイライラしてた。


「で!?」


「えっと…その後家に来いって言われて、
拒否すれば剣司くんにバラすって言われて…」


「まさか、家に行ったのかよ…」


「う、うん…
そこでソファに押し倒されて…」


剣司くんはあたしにキスをしてきた。


「ごめん、言えって言ったけど、
これ以上聞きたくなくなった…」


しばらく沈黙が続いた…


「あかねって瞬と初めて
あのキスしたんだよな…」


舌入れたやつのことかな…


「う、うん…」


「アイツマジ許せねぇ!!」


剣司くんはすごく悔しそう。


でもあたしホントに剣司くんに
好かれてるんだなぁって
嬉しくなる…


あたしはクスッと笑ってしまった。


剣司くんはあたしが笑うのを見て、
顔を逸らした。


「あかね、今のは反則…」


あ、ごめん、怒らしちゃったかな…


「ごめん、悪気はなかったんだよ?
ちょっと剣司くん可愛いなって思って…」


すると、いきなり剣司くんに押し倒された。


「あのさぁ、俺瞬じゃねぇから、
さっきみたいに不意打ちで、、、その…
可愛い顔とかされたら、、」


照れて顔はこちらに向かない剣司くん。


普段あんなにイカついのに、
こういう時は子供みたいになる。


あ、ダメだ…


「ふふっ」


あ、また笑っちゃった…


「言ったそばからァ〜!!」


いや、悪気はホントに無いんだってば!


剣司くんはあたしの顔にかかった前髪を


そっと横に避けた。


「瞬とあのキスした時、
どう感じた?」


どうって…


「気持ち悪かったなぁって思った。」


そう言うと、剣司くんは笑ってた。


「多分俺とだと、違うと思う。」


そもそも舌が舌に当たるって感覚が
気持ち悪いんだと思うけど…


「あかね、少し口開けて」


あ、ホントにするんだ…


恥ずかしい…


あたしは少し口を開けて、
目を閉じた。


見えてないけど、何となく感じる、
少しづつ、剣司くんの顔が近づいて来る。


息が吹かかる。


もうすぐ、来る、、、


口の中に剣司くんの舌が、唇が重なった…


口の中は今回違和感がない…


剣司くんがすごく優しく、


口の中を掻き回して行く…


お互い暖かい息が、
唇の隙間から漏れる…


何も考えられない…
頭が真っ白になっていく…


時折漏れる剣司くんの声…


ここで聞くといやらしく聞こえる…


剣司くんは咄嗟に唇を離した。


「ごめん、、危なかった…」


何が危なかったのかな…?



「剣司くん、どうしたの?」


「いや、あの…あのまま続けてたら、
俺…止められ無さそうで…」


剣司くんは息を整えていた。


「剣司くん、、その、、
少しなら、止めなくても…いいよ?」


これでいいのかな?


剣司くんが喜ぶなら、いいよね…