雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(53話)


次の日…


ってかなんだか夏休み色々ありすぎて…


色々あると夏休みって
あっという間なんだな…


夏休みもそろそろ終わりかけ。


あたしはリビングで朝食を…


「あかねちゃん!おはよう☆」


リビングではお父さんが椅子で新聞を読んでいて、
お母さんは台所で洗い物…


お父さんの向かいの席には瞬くんが座っていた…


え?なんで普通に座ってるのよ…


「瞬くん!ごめんあかねちゃんのお茶碗
取ってくれないー?」


お母さんも普通に瞬くんと接する…


瞬くんはあたしのお茶碗を持って
お母さんに手渡す。


「あかね、、ちょっと」


お父さんに手招きされた。


お父さんは小さな声で話し出した。


「あかね、あんなことがあったが、
俺とお母さんは瞬くんに
ここに遊びに来てもいいと言ったんだ。
お母さんの発案だ。
色々あったがあかねも
嫌そうな顔はしないであげて欲しい。」


確かにあたしと瞬くんも色々あった…


あたしは瞬くんのした事許せなかったけど
瞬くんも辛い思いをしてたんだなと思うと、
あまり敵対しようとは思わないんだよね…


複雑…


いや、やっぱりダメな気がする!


「お父さん!あたし今剣司くんと付き合ってるんだよ?
他の男の子がよく来るってのはどうかと…」


コソコソ話していたが、瞬くんやお母さんが
こちらを気にしだした。


「あかねちゃん、瞬くんはね、
お母さんは違うけど、お父さんは
一緒だから、異母兄弟って事になるのよ?」


お母さん…


そうだろうけど、昨日までクラスメイトだよ?


いきなりそう言われてもさ…


「それにさっちゃんが命懸けで産んだんだもん!
お母さんは大事にしてあげたいな!」


そういえば、お母さんは皐月さんの事
知ってるんだっけ?


っていうか、今まで気にならなかったけど、
お母さんってなんであたしの事、
あかねちゃんって呼ぶんだろ…?


今回色々あって思ったけど、
もしかしてあたしもお母さんの子供じゃないとか?


他人の子だからちゃん付け?


「お母さん、なんでお母さんは
あたしのこと、あかねちゃんって呼ぶの?」


お母さんは下を向いてため息をついた。


「じゃあ、あかねって呼んで欲しいの?」


何?その言い方…


「お母さんってもしかして、
あたしのホントのお母さんじゃないとか?」


お父さんは新聞で顔を隠しクスクスと笑っていた。


お母さんは片目から涙を零していた。


「今ならあかねもちゃんと聞いてくれるんじゃないのか?」


お父さんは笑いを堪えながらお母さんに言った。


お父さんは笑ってるし、
お母さんは少し泣いてるし…


なにこれ、聞いていいんだよね?


「あかねちゃん…実はね、、」


お母さんが話し出した。


「あかねちゃんがね、小さい時に、
お母さんがあかねって何度も呼んでも
あかねちゃんその場で泣いてこっち来てくれなかったの…
そこでね、お父さんが、あかねちゃんって言ったら
笑顔でお父さんとこ走って行ったのよ…」


お母さんはまだ泣いていた。


いや、泣く話か?これ!


お母さんは鼻をグズグズ言わせながら
話続けた。


「お母さんの呼び方が悪かったんだって思って、
今度は私もあかねちゃんって呼んだの。
そしたらまた泣き出しちゃって…」


過去のあたし…何してんのよ…


「お父さんがね、手を差し伸べて
呼んであげなさいって言うから、
手を差し伸べてあかねちゃんって言ったら
泣き止んで私の手を握りしめたの!
それが嬉しくって嬉しくって…」


お母さんは泣きやみ、あたしを見て
笑顔になった。


「だからお母さんあかねちゃんって呼ぶの!!」


あ、さようですか…


お母さん変なこと気にしてごめんね。。。