雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(36話)

2日後。


今日は宿題の事気にしなくていいし〜!


昨日やったもんね〜!


今日は剣司くんと買い物の日。


モールの前で待ち合わせ。



どうしても集合時間とか、
早めに着いちゃうんだよね。


ってか!モールの前ってどのへん!?


駅とモールの間には広いターミナルと
噴水のある広場。


よくイベントとかあるんだよね、ここ。


どこで待ってたらいいんだろ…


とりあえずベンチに座って時間を潰す。


まだ待ち合わせ時間までに30分もあるもんなぁ。




5分程すると、剣司くんのような人…


あれ?女の子と腕組んでるし!
どういうことよ!


なんだか胸が苦しい…


剣司くんはその子と立ち止まって
駅前のターミナルで喋っていた。


早く来て、初めて損したな…


もしかしてあたしが買い物の日聞き間違えた?


でも明後日って聞いたと思うんだけど…


まぁ、いいか。


あたしは帰ることにした。


「あ!待てよあかね!!」


剣司くんの声…


でも振り返ったらあの女の子と居る…


聞こえない振りをしてそのまま歩いた。



後から腕を掴まれた。


「なんで帰ろうとしてんだよ!
来たなら一緒に行こうぜ!」


その女の人と3人で?


嫌なんだけど…


すると横にいた女の子人が
剣司くんの背中を思いっきり叩いた。


「ほーら!だから言ったじゃん!
彼女心配させてどうすんのさ!
お兄ちゃんそんなんだから
彼女出来なかったんだよ!!」


え?お兄ちゃん?


って!妹さん!!?


「初めまして!森野 優子(もりの ゆうこ)って言います!
お兄ちゃんがいつもお世話になってます!」


すごい礼儀正しい。


身長あんまりあたしと変わらないけど、
何歳くらいなのかな?


「あ、初めまして!
お兄さんと同じクラスの
橘茜って言います。
こちらこそ、いつもお世話になってます。」


そう言ってお辞儀をすると、
優子ちゃんは剣司くんに向かって


「こんなんで初デート上手くいくの?
ま、家で応援してくるから頑張ってきなよ!
じゃあ邪魔者は退散しま〜す!」


と言って去っていった。


そ、そうか…


買い物付き合うだけって思ってたけど
デートか。


そう思うと緊張してきた…


剣司くんは優子ちゃんに手を振り、
こちらに振り返って、あたしの手を握ってきた。


「なぁ、買い物行く前に1つ確認したいんだけど、
あかねさぁ、俺と優子が歩いてきたの見てたよな?
その時、なにか感じなかった?」


「えっと…身長が近いなぁ〜とか?
あ、カップルみたいだな!とか?」


剣司くんはそれを聞くと
ガッカリしてた。


「もういいや…なんでもない。
買い物行くぞ。」


ほんと言うと胸が苦しくなったよ、とか
言えないもんな…


見てて辛かったなんて言うと失礼だろうし…


あたしと剣司くんは少し離れて歩き、
モールへと入っていった。