雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(41話)

あぁ、それで…

「それでも特に森野は何も言わなかったな…。
その後自販機のとこでばったり会ったのは
偶然だったけど、俺は悪い役だったから、
一言だけ言ったけど、特に意味はなかった。
でも夕食の時にお前ら海で会う約束したし、
もう俺の役も終わるなと思って少し安心した。」


あぁ、告白を受けた時…


「その後橘から呼び出されて、
ここで全部話そうと思っていたのに、
俺が自販機に押し当てると
橘の目は泳いでるし、迫って聞いたら
告白を受ける事にした。とか
意味わかんねぇ事言うし、
コイツら実ってねぇんだなって思った。」


剣司くんは思い出した。


「そういえばあの時、
部屋に戻ったら彰居なくて、
白馬から、彰があかねを自販機へ
呼び出したから早く行ってって
言われて出ていったんだ…」


「森野が来て、口説いてるって言ったのに
何にも変化無さそうだし、朝に何かあったように
言った。まぁこれで2人で両想いにでもなれば
俺の役は終わると思ってな。」


その後初めてキスをしたんだった。


でも、確か、次の日…


「自販機の時には橘の事、あかねって呼んでたのに
次の日には苗字呼びになってるし、
もう俺は意味わからねぇって、
白馬にこの役は降りる!って言って、
俺は何もしなくなった。」


剣司くんは彰くんを睨みつけた。


「ほんとにもうあかねの事
狙ってねぇって信じていいよな?」


彰くんはコーヒーを啜ってカップを置いた。

「あぁ、今はというか、ずっとなんとも。
まぁもし橘がこっちに揺れたとしたら
受け入れる予定ではあったけどな」

彰くんクスクスっと笑った。


「まぁとりあえず白馬には感謝しとけよ。」


そう言って彰くんはキッチンへ歩いていった。


「2人とも、飯作ったら食っていくか?」


あたしは普通に、いいの?と聞いた。
剣司くんはちょっと機嫌悪そうに、
食べると、答えた。


美味しい!ってか料理作れるって凄い!


あ、一人暮らしだからか…


あたしのこの心の声何回目!


「料理作れるって凄いね!」


彰くんはあたしに微笑みかけた。


「だったら嫁に来て、
飯作ってくれるか?」


え!?


剣司くんがそれを聞いて
「おい!彰!やっぱりさっきの騙してたのか!」


と、彰くんの首元を掴んだ。


「森野、お前単純だな…」
彰くんは頑張って笑いを堪えてた。


あ、、、たぶん、、、


今のは剣司くんがもてあそばれた…


でも彰くんがまたこういう風に
仲良く話せるようになって良かったなぁ。


あたしは彰くんと一緒に洗い物を
手伝った。


剣司くんはソファに寝転んで、
あたし達を見てた。


凄い監視されてる…


彰くんは剣司くんに気づいた。


「あかね、俺とキスしたいよな?」
彰くんはまた余計な事を!!


剣司くんが怒ってこっちに来た!


「あかね!どけっ!俺が洗う!!」


この2人ってきっと元はこんだけ
仲良かったんだろうなぁ〜。


見てて微笑ましく思えた。




あたしは家に帰った。


剣司くんとも分かれ、
あたしは家に……


あれ?


どこかから視線を感じる…


もしかしてストーカー?



剣司くん帰っちゃったのにどうしよ…


後ろの電柱から走り去る人が見えた。


思わずあたしは追いかけた。



よし、腕を掴んだ!!


「逃がさないですよ!」


謎の人が振り返った。



え?瞬くん?