雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(16話)

次の日…

授業が終わり、あたしは彰くんと
家へ向かう。

一緒なら今でもいい気がする。


彰くんは電車の中で
無言で本を読み続ける。


「そういえば用事って?」


その問いに彰くんはこっちを向き、

「着けばわかるから」

とだけ言って本を読み続けた。



駅について歩いていくと、

彰くんの家の前に人影。


誠くんと瞬くん!


「ようこそ、お姫様☆」


え?何?


中からはゆきちゃん、かんなちゃん、
マリナちゃんに剣司くん。


みんないきなりどうしちゃったんだろ…


「あかねおそーい!
みんな待ちくたびれてたよ!」
かんなちゃんに手を引かれ、
あたしはそのまま、リビングへ
連れて行かれる。


あれ?今日…


7月17日…


あたしの誕生日!!


中央にはいちごのホールのケーキ。


「前は失敗したから今日はローソク付きです!」


マリナちゃんがそう言って、
ローソクを差し出して来た。


でもなんでここなんだろ?
「なんで彰くんの家なの?
あたしの家でも良かったのに…」
そういうと、剣司くんが

「あのなぁ、女子の家に押しかけとか
出来るわけねぇだろ!
ここなら1度みんな来てるって聞いたから
ここにしたんだよ!」


あ、そういうことね…


すると彰くんがカバンから何かを出した。

「これ、みんなで買ったから。」

え?可愛い!
あたしの好きなアニメキャラのストラップ!


嬉しくて思わず泣きそうになる…


するとゆきちゃんが傍に来て、
「前にあかねちゃん、このアニメの歌
歌ってたから、好きかな?って思って!」


誕生日なんて祝ってもらったの、いつぶりだろ…


「よーし!じゃあ8人居るから、ペア組んでゲームしよーっ!!」
誠くんが隣の部屋からゲーム機を持ってきた。


「おいっ!だからなんで勝手に
ゲーム持って来れるんだよ…」
彰くんは呆れていた。


すると瞬くんが1枚の紙を取り出した

「これね、彰の家のマップ!
どこに何があるか彰の取りに行った場所
書いてあるから☆」

彰くんは驚いた様子でその紙を奪った。

その瞬間目の前でビリビリに破いた。

「お前らストーカーか空き巣かよ…」


あたしは剣司くんと組むことになった。

瞬くんとゆきちゃん、彰くんとかんなちゃん、

誠くんとマリナちゃん。


よし!負けないぞ!


えっと…


「あ!おいっ!なんでそのタイミングで
A押すんだよ!今のとこはBだろ!」
剣司くん怖いです…


Aってどっち?Bって??

コントローラー?のボタンの位置すら
分からないのになおかつテレビ画面も
見ないと行けない…


テレビゲームってこんなに難しいものなのか…


実は初めて…


この前の誕生日会は横で見てただけだからね…


「あー!負けたー!橘センスねぇなぁ!!」


少しは優しく教えてくれたっていいじゃん!


あーもぅ!わかんない!
こうなったらやけくそだぁーーー!


「えっ?」


周りのみんなも驚く。


「おぉ!橘すげー!
最高得点出しやがった!」


なんかわかんないけど上手く行ったっぽい…


「え?ここでこのスコア?
どーやったの!教えてー!」


誠くんは凄いキラキラした目で
問いかけて来る。


「あかねちゃんゲームのセンスあるんじゃない?」


かんなちゃんや、ゆきちゃん、マリナちゃんも
どうやったのか気になるようで、
あたしの手元を見つめてくる。


「先生っ!もう1回お願いします!」


ゆきちゃん達が頭を下げてくる。


いや、まぐれなんだけど…



それからは上手くいくことも無く、


剣司くんに怒られっぱなしになる…


辺りも暗くなってきたところで解散。



海に行ったらみんなでこういう風に
遊べるんだなぁ〜


ワクワク気分で家に帰る。