雪乃小説館

不定期で更新します!現在は白と黒の子守唄を更新してます。

白と黒の子守唄(21話)

それは瞬や彰、誠達と出会う前の話。


小学校に上がった俺は
友達100人作るんだー!って勢いで
手当り次第みんなに声掛けて言ってた。
まぁガキってそんなもんだしな…


その中に居たのが二階堂和也(にかいどうかずや)。


周りと馴染もうとしない二階堂は
席に座ってるだけだった。

俺はコイツとも友達になる!って思って
そこから毎日声を掛けることにした。


そんなある日。


おはようって声かけると
「森野…くん、だよね?
僕には話しかけなくていいよ」
とか言ってきた。


は?


「なんだよその言い方!
同じクラスなんだからおはようくらい
いいたいじゃんか!」


二階堂は少し怯えてそのまま無口になった。



そんなある日。


朝学校に行くと教室がザワついていた。


二階堂が囲まれてる!!


俺は慌てて二階堂に駆け寄った。


「お前ら二階堂かこって何したいんだよ?
コイツがなんかしたってのか?」


周りの奴らは黙った。


しばらくすると1人の女子が静かに口を開けた。


「二階堂くんがね…あたしの靴とったの…」


コイツ席から動かねぇのにするわけねぇじゃん!


「二階堂がやったって言いきれんの?
俺はコイツがそんなことするとは思えないんだけど?」
俺がそういうと、他のやつらはざわついた。

「だってそんな事しそうなの
二階堂くんしか居ないじゃん。
周りはみんな仲良しだから
絶対しないし。」

何言ってんだよ…


「確かにみんなと仲良くしたいって思うけど
こうやって勝手に疑って二階堂を悪者に
するのが正しいと思ってんの?」

すると、二階堂が小さな声で言った。


「僕でいいよ、森野くん何も言わないで。」


なんだよコイツ。イライラしてきた。


「二階堂そこまで言うなら靴出せよ」


俺がそういうと二階堂は


「君には教えられない。」

そう言ってまた黙った。



授業のベルが鳴り、
みんなは席に着いた。



お昼休み、ふと見ると二階堂が
居なくなっていた。


校内を探し回ると、
体育館の横で弁当を食っていた。


二階堂の顔を見るとまたイライラしてきた。


「なぁ、お前さ、
なんであそこまで言われて
違うとか言えねぇの?」


二階堂は箸を止め、
静かに話し出した。


「最初は言ったよ。でもみんな
僕のこと信じて貰えなかった。
僕が犯人の方がみんな仲良く出来るから
このままでいいんだよ。
僕が悪くないとかもう言わないで!
お願いだから…」


納得行かねぇ…


「じゃあもしまた何かあったら
二階堂犯人でいいの?
アイツら絶対またお前のせいにするぞ!」


「いいよ、それで。
その方がみんな笑顔になる」


「ふざけんなよー!
そんなの俺が嫌だし!
二階堂だって同じクラスの仲間じゃんか!
俺はもう友達だと思ってるよ!!」

二階堂は驚いた顔を見せた。


「森野くんってなんか変わってるね。」

二階堂はクスクス笑ってた。

「お前、笑える時笑えんじゃん!」

俺はちょっと嬉しかった。


「じゃあ俺たち友達だから
お前のこと和也って呼ぶからな!
だから和也も俺のこと剣司って呼べよ!」

和也は笑顔で首を縦に振った。


次の日。

和也は来ていなかった。